■ オーディオ・ノートの銀線ケーブル (2019.2.3)

オーディオ・ノートは銀線ケーブルのオリジネーターである。創業者の近藤公康は、導体に銀を使うというアイデアをトイレの中で思いついたらしい――伝説でしょうね。「銀」は電気抵抗が一番少ないという、これをケーブルにつかったら最高の製品が完成するのではないか、とひらめいたわけだ。はじめは入力トランスに銀線を巻いた。売り出したものの、まったく反応がなかったそうだ。

銀線ケーブルに火がついたのは、1970年代半ばだったか。それまで、ケーブルごときで音が変わるはずなんかあるものか!というのがオーディオ評論家に代表される世間の声だった。それが一夜にして銀鑽仰の声がオーディオ界を席巻する。そして、あらゆる素材がケーブルの材料として実験され、我こそ最高とばかりに各種ケーブルが市場にあふれた。あれから、もう数十年がすぎたのか、相変わらずケーブルの話題に事欠かないのはご存じの通りだ。

かねて、なんとかこの銀線ケーブルを手元でじっくり聞き込んでみたいとの野望があったのだが。なにしろとびぬけた高額商品。高嶺の花と手をこまねいていた。ようやく、つい最近スピーカーケーブルを手にすることができた。もちろん中古品であるが、オーディオ・ノートの初期の製品のようだ。現在は生産終了。

Audio Note AN−SPx Silver 2.5m
リッツ線構造か、導体27本をより合わせ、直径は実測6mmほど

 


さっそく準備にかかったが、手持ちのスピーカーシステムはバイワイヤリング接続であり、試聴はシングルワイヤーになる。銀線ケーブルの評価には、マイナス・ハンディになるがやむを得ない。

一聴して、高音の鳴りっぷりに特徴を感じる。キラキラ輝くよう、ヴァイオリンの高音弦など艶っぽく、さえざえとした響き。とくに女性の声は魅力たっぷりだ。
まさに"Kondo Sound"か!!
気になるのが男声。フィッシャーディスカウの古い録音など、もうちょっと声にふくらみとか余裕が欲しい。やや生硬な金属的な響きを感じるときがある。

もう少し聞き込んでみようと思う。


戻る  Home